これは、自分が乳がんになるなんて思ってもみなかった女性3人の物語です。
2018年8月、48歳の誕生日に主人公・佐々木佳菜は乳がんステージIIという告知を受けます。
横浜医科歯科大学附属病院で担当医となった曽根山哲二(48)のクールすぎる態度に、佳菜は不安を覚え、帰宅後、夫・正雄(49)に訴えます。しかし、共感は得られず夫婦喧嘩となり、家を飛び出し、行き着いたのは、横浜・野毛山に建つ患者ハウス「NPOラビッツベース」でした。
そこで佳菜は、高梨令加(54)、天野祈(25)をはじめとする乳がん体験者・サバイバーたちと出会い、治療のイロハを習い、自分も乳がんの勉強をしようと思い立ちます。
佳菜は乳房再建を望みますが、ステージIIIを疑う哲二は診療ガイドラインを基に異を唱え、話し合いは平行線。哲二のきつい言葉と態度に戸惑い、転院を決意する佳菜。ところが、その直後に、不器用な哲二の患者を思う真意を知り、胸を痛め、同時に淡い恋心にも似た不思議な思いを覚えてしまうのでした。
そんな佳菜の前に、ステージに関わらず乳房再建をする開業医の波暮田仁(47)が現れます。
一方、祈は北海道の馬牧場の跡取り息子・二谷優馬(29)と巡り合い、豪快で温かい人柄に惹かれ恋に落ちます。でも、ガン治療のために子どもは産めないかも、と思うと、そう簡単に彼の胸へ飛び込むことはできないのでした。
また令加は、初恋の人・兼松光(55)が地球の最果ての地で研究していると知り、会いたいと願うのですが、その矢先、脳への転移が見つかります。佳菜は「どんなにガンが令加さんの胸を蝕んでも、彼への思いは蝕めない」と懸命に令加を励まします。
はからずも令加の病室で再会する佳菜と哲二。治療を通して成長してきた佳菜に対して、哲二は思いもかけぬ言葉をかけてくるのでした。その言葉とは?
果たして、祈は優馬と結ばれるのでしょうか?
令加は、兼松の帰国まで持ち堪えることができるのでしょうか?
そして、佳菜は辛い治療を最後までまっとうして生き延びることができるのでしょうか?
……つづきは舞台で!